【和菓子技術講座】1-1 小豆粒餡(小豆の話)

和菓子
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4月15日頃に、今月の講座内容が届きました。
今月は和菓子の基本となる「あん」がテーマです。
皆さんはあんこと言えば粒あん派/こしあん派どちらでしょうか?
どちらも違った美味しさがあり、選ぶのが難しいですよね^^;
私はどちらも好きですが、強いて言えば「粒あん」です。粒あんの方が小豆の香りが強く感じられて「あんこを食べている」という感覚をより楽しむことができるような気がします。(気のせい?)
でもこしあんの滑らかな舌触りと砂糖と一体となった風味も美味しいですよね~。

そんなあんこに必要不可欠なのが、当然ながら「小豆」です。
講座では餡の炊き方だけではなく小豆の知識も教わりました。
小豆は有名なものとして「丹波小豆」「備中小豆」「北海道小豆」があり、前2つは「大納言小豆」、北海道小豆は「普通小豆」に区分されるそうです。

大納言小豆は皮が破れにくいのが特徴で、飾りに使うなどの形を生かした使い方ができます。
※”皮が破れにくい(腹切れが起きにくい)”ことから、武士とは違って切腹の習慣のない公卿「大納言」の名がつけられたと言われています。

一方の普通小豆は味が強いのが特徴。特にこしあんなどに使用され、和菓子屋さんでは普通小豆をメインに使用しているそうですよ。

今回の講座のために購入した小豆がこちら↓
AMAZONで900g/1,000円で購入しました。

それでは作っていきましょう!

【下茹で】
まずは鍋に小豆とたっぷりの水を入れて茹でていきます。
途中「差し水(びっくり水)」をしながら、小豆のしわがほとんど無くなるまで更に茹でます。
この差し水は、沸騰を一時的に抑えることによって豆の内部にまで水分を吸収させる役割があるそうです。

しわが伸びたら、ざるに空けて流水をかけ、「渋切り」をします。

【本炊き】
下茹での段階ではまだ芯が硬い状態です。次に本炊きを行っていきます。
本炊きでは沸騰まで強火で炊き、その後小豆が煮崩れないように強めの弱火で炊いていきます。

【あく抜き】
炊きあがった小豆を水に曝し、小豆が少し透けて見えるまで何度か水を入れ替えてあくを抜きます。
このあく抜きの程度が重要で、不十分だとえぐみが残り、やり過ぎると風味が少ない餡になってしまいます。
小豆の水気を切って、「ゆで小豆」の出来上がりです。

【粒あん】
いよいよ餡を炊いていきます。
鍋にゆで小豆とグラニュー糖を入れます。グラニュー糖は小豆(乾燥)の1.1倍量と、一見すると驚くくらいの量を入れます。

餡を炊くときのポイントは、「焦げない程度の強火」で炊くことです。火が弱いと小豆中のデンプンがうまく吸水せず、出来上がりがざらつくそうです。
餡はデンプンと糖、水分が共存していますが、デンプンー水, 糖ー水間での結合がうまく行かないと自由水が多くなるということでしょうか。自由水が多いと菌も繁殖しやすいので、ここは味だけではなく日持ちにも大きく影響するポイントですね!
またデンプンー糖間の結合(糖化)も餡の美味しさを決める要素になります。糖化が進み過ぎるとねっとりとした餡になるため(安めの最中によく入っているイメージです)、ほろほろとほどける舌触りにするために糖化の調整も重要です(本講座ではありませんが、書籍からの受け売りです^^;)。
ただ、”ざらつき”と”ほろほろ”の違い(境界?)はなかなか理解が難しいですね...

餡はやや柔らかいかな、と感じるくらいの硬さにまで煮詰めます。そうすると冷めたときに締まって程よい硬さになります。

完成した粒あんがこちら↓

味はそこそこの美味しさ。市販の安い粒あんの方が美味しいかも。
というのも、本炊きの時間が短かったのか小豆の皮が口に残る。また風味もあまり残っていない。
原料の小豆の性質か?とも思いましたが、恐らくは本炊きが不十分だったのと、あく抜きのやり過ぎが原因と考えられます。

このように、基本から躓いたわけなんですが^^; 失敗は成功の元。学べたことも多いので、何度も炊いて練習します!
ちなみに粒あんはパイにして美味しくいただきましたよ~

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