【和菓子技術講座】3-1 みたらし団子

和菓子
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4月の講座は和菓子の基礎となる餡を学びました。
5月のテーマは「米粉」です。米粉というとみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?
最近では米粉パンも認知度が上がり、街のパン屋さんやテレビでも見かけることが増えてきましたね。

和菓子に使われる米粉で最も知られているのは「上新粉」でしょうか。他にも「餅粉」や「白玉粉」もスーパーでよく見かけますね。

お米には「うるち米」と「もち米」があります。この2種類の違いは、その構成するデンプンの組成です。
デンプンは「アミロース」と「アミロペクチン」で構成されており、アミロースはグルコースが直鎖状に結合している一方で、アミロペクチンには分岐があるという違いがあります。
アミロペクチンが米のモチモチ感に寄与しています。つまりもち米の方がアミロペクチンの比率が高いということですね(うるち米:約80%、もち米:100%)。

先ほど挙げた3つの米粉の内、上新粉はうるち米、餅粉と白玉粉はもち米が原料です。もち米が原料となる米粉には他にも「道明寺粉」や「寒梅粉」などもあります。これらはもち米を加熱・乾燥して挽いたものと非加熱の状態で挽いたものという風に、更に分類されます。
このような米粉を始めとする原料のまとめや解説もいずれは取り上げたいと思います。

前置きが長くなりました^^;
今回のテーマは「みたらし団子」です。みたらし団子は子供の頃にスーパーでよく売られている3本入りのパックを兄弟で分けて食べた思い出があります。

まずは醤油だれを作っていきます。昆布の旨味が効いたたれです。昆布を使うことが少し意外でしたが、これまで食べていたみたらしあんにもこうした出汁や旨味成分が入っていたのでしょうか?
ちなみに濃口醤油を持っていないため、薄口醤油を使いました。

団子の材料は上新粉と水だけ。
せいろは持っていないため、深型フライパンと蒸し網で代用しました。
細かく分割して蒸し上げることで蒸し時間を短くできます。一方で表面と中心部では火の通り方や水分量が異なるため、蒸しあがったら滑らかになるまで練り、全体を均一にします。この作業がとても熱くて大変でした...

蒸す前
蒸しあがり

練りあがったら冷水にとり急冷します。こうすることで膨張したデンプンが締まり、歯ごたえや歯切れが良くなります。また温かい状態で団子にすると、後で硬くなりやすいそうです。(温かい状態で表面積が大きくなり、水分が蒸発しやすくなるのでしょうか。)

水から取り出して再度全体を均一にし、成形していきます。
ここで三角棒の登場です。三角棒は半年くらい前に購入していましたが、なんと今回が初使用です!
三角棒の幅を使って均等に切り出していきます。鋭角を押し当てて転がすことで球状に切り出されるはずだったのですが、全然うまく丸まらない。
結局あとから手で丸めました^^;

串に刺してフライパンで焦げ目をつけ、醤油だれにくぐらせて完成です。
半量は焦げ目をつけずに粒あんをのせていただきます。

講座では醤油だれに使う醤油として「甘露醤油」がおすすめされていました。この醤油はコクや色、香りが濃厚という特徴を持つそうです。今回使用した薄口醤油とは全く性質が逆ですね...
実際、薄口醤油のたれはあっさりし過ぎていて少し物足りない。上新粉やお焦げの香りに負けている感じでした。団子のたれには濃口醤油などのコクのある醤油が適していそうですね。
また、好みの問題ですが生地自体に甘味があった方がより味わい深くなり美味しいと思いました。餅粉も少し入れた方が好きかなあ。

みたらし団子は元々は5個刺しだったそうです。これは「五体を表す」という説や「後醍醐天皇が下鴨神社の御手洗池で水をすくったとき、泡が1つ浮き、その後4つ浮いてきたことに由来する」という説があります。
今は4つが主流ですが、5つから4つになった理由として1700年代に起きた、五文銭が四文銭に改定されたことが影響しています。
当時みたらし団子は1本五文銭で売られていましたが、改定により四文+一文別で受け取るのが手間だったため、4個刺しで四文で売られたという説があります。

名前の由来や歴史の中で起きた変化など、みたらし団子には興味深い逸話が多くありますね。

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