【和菓子技術講座】5-1 錦玉羹

和菓子
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6月の講座のテーマは「寒天」です。
4月は「餡」、5月は「米粉」と続きましたが、一気に夏らしいテーマになりました。

寒天を使って作られるお菓子が「流し菓子」です。
分かりやすいのが「羊羹」ですね。
今回は流し物の基本となる「錦玉羹」を作っていきます。

錦玉羹の材料は、寒天、グラニュー糖、水あめ、水の4つだけです。

寒天には棒寒天糸寒天フレーク寒天粉寒天がありますが、今回は糸寒天を使いました。
棒寒天よりも細かいために溶かしやすいのではないかと考え、糸寒天にしてみました。
スーパーに買いに行ったのですが、普通の糸寒天は見当たらず、スープ用糸寒天しかありませんでした。
確かにこれまでも、粉寒天や棒寒天はよく見かけましたが、糸寒天はほとんど見たことがありませんでした。
スープ用と記載されていますが、まあ成分は同じだからお菓子にも使えるだろうと考え、こちらの糸寒天を選びました。

錦玉羹の作り方は非常にシンプルです。
まず水で戻した寒天を完全にに溶かし、砂糖を入れて溶かしてから、さらしで漉します。

再び火にかけて水あめを加え、流し缶に流し込んだらあとは冷まして固めるだけです。

簡単そうな工程ですが、いくつかポイントがあります。
まず寒天を水で十分戻すこと。約6時間は浸水する必要があります。
十分に戻っていないと溶け残りがですのですね。

また、寒天が完全に溶けてから砂糖を入れます。
これも寒天の溶け残りを防ぐためです。(浸透圧を上げると、寒天が吸水しにくいということでしょうか?)

型に流したあとには、液面に多数の泡が浮いています。
これが残ったままだと、表面が滑らかでないまま固まってしまいます。
そこで登場するのが霧吹きです。
霧吹きで水を吹きかけてあげることで、泡が消えるそうです。
実際にやってみましたが、講師の先生ほどきれいには泡は消えませんでした。
霧吹きの違いなのか、それとも吹きかけるコツがあるのか...
結局多少のロスは承知で、スプーンで泡をすくい取りました^^;

我が家には流し缶が無かったため、シリコンのマフィン型で代用しました。
綺麗に取り出せたのですが、シリコン表面のザラザラが錦玉羹にも移ってしまいました...

ですが内部は透明度が高く綺麗でしたよ~
このように切り出すと鉱石みたいですね(^^)

とてもシンプルな材料なのに、どんどん食べてしまいます。
加熱された砂糖の甘い香りや寒天のわずかな海藻の香りも寄与しているのかもしれませんが、後を引く美味しさです。

でももしお店でこんなにもシンプルな錦玉羹が売られていたら、きっと他の和菓子を選びますね(笑)
わざわざ買って食べないものを食べられるという意外な手作りのメリットを発見しました。
またシンプルだからこそ誤魔化しが効かず、見た目や味に影響するという点で、錦玉羹が流し物の基本である意味が良く分かりました。

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