【和菓子技術講座】5-3 あじさい

和菓子
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講座の順番では本当はみぞれ羹よりも前だったのですが、少し時間がかかりそうだったので後回しにしていました。
ただもうすぐ6月も終わってしまうということで、季節外れにならないうちに作らないとと思い作ってみました。

「あじさい」は、さいの目切りした錦玉羹を白あん玉の周りに付けることで作られます。
講座ではワインを使った赤紫色の錦玉羹を淡雪羹で覆い、梅雨にしっとりと咲く紫陽花を表現していました。

今回は講座の通り赤紫色のあじさいを作るだけではなく、青色の紫陽花も表現したいと思い、少しアレンジしてみました。

錦玉羹はトレハロースとカップリングシュガー(水飴で代用しました)を使うレシピです。
基本の作り方とほとんど同じなのですが、少し煮詰めを念入りにして、粘度を高めます。
これは後から赤ワインなどの色素成分が入った液体を追加するためです。

また赤ワインなどの酸度が高めの材料を寒天と組み合わせるときには「寒天液を火から下ろして、80℃以下になってから酸度の高い液体を加える」ことが重要です。
これは酸によって寒天の構造が壊れてしまい、固まらなくなるのを防ぐためです。
80℃以下にすることで寒天の構造を安定化させることができ、酸による構造破壊を抑えるのですね。

着色は講座では赤ワインだけの1色だったのですが、今回は青、水色、透明の錦玉羹も作ってみました。

寒天液はまとめて作り、煮詰めた寒天液50gに対して着色した水5gを混ぜ合わせて着色しました。
この添加率で丁度良い硬さになったのですが、寒天液の煮詰め具合によって調整が必要かもしれません。(相変わらず、気泡がたくさん入った錦玉羹になってしまいました^^;)

固めた錦玉羹はさいの目に切り、餡玉に付けます。
透明の錦玉羹をうまく混ぜ込んで、5色のあじさいを作ってみました。
どれがきれいでしょうか?
個人的には上段中央のあじさいが、鮮やかで色の窮屈さもなく好きです。

左下のあじさいには、更にひと手間加えます。
淡雪羹で覆います。淡雪羹はメレンゲに錦玉羹を合わせたものです。

角が立つくらい泡立てたメレンゲに、寒天液を2回に分けて入れて混ぜ合わせます。
粗熱をとってあじさいにかけて固まれば完成です。

・・・・あまり美味しそうには見えませんね…^^;
おそらく粗熱を取る時に温度を下げ過ぎて粘度が高くなったためだと考えられます。
教科書ではもっと薄くコーティングされているのですが、私のは雪が積もったみたいに分厚くかかっています(笑)

青色のあじさいはとても涼しげで、見ていると光の入り方によって更に鮮やかになります。

今回は「あじさい」の紹介でした。
錦玉羹の着色の手間や淡雪羹の粘度調整の難しさがありましたが、見るだけで穏やかな気持ちになるようなお菓子でした。

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