【和菓子技術講座】6-1 練り羊羹

和菓子
DSC_1904

和菓子の代表格と言えば「羊羹」ですね。
羊羹と聞いてよく話題に挙がるのが、なぜ『羊』なのかという疑問です。

元々羊羹は『羊』の『スープ(=羹)』のことを指していました。
この料理は中国の紀元前の文献「史記」に既に登場していたそうです

日本では鎌倉~室町時代、中国に留学した禅僧がもたらした点心の一つとして伝えられました。
しかし禅僧は肉食を禁じられていたため、肉のような赤さを持つ小豆を動物肉に見立てた料理が作られました。これが羊羹の始まりとされています。

当時の羊羹は小豆だけではなく、小麦や葛粉を混ぜて蒸し固めることで羊肉に似せたそうです。
つまり現在で言う寒天で固めた羊羹ではなく、蒸羊羹に近いものだったのですね。
江戸時代以降には次第に甘さを加えたものが作られるようになり、菓子として人気を集めるようになりました。

練り羊羹が生まれたのは寒天が発見されてからです。
寛政(1789~1801年)の頃に「紅粉や志津磨(紅谷志津磨)」が考案したとされています。
練り羊羹は日持ちがすることからも重宝されたそうですよ。
現在でも、非常食や登山の携帯食として売られていますね。
日持ちがして糖分補給もできるため、こうした備蓄食は羊羹の特長を最大限生かした活用方法ですね。

前置きが長くなりましたが、練り羊羹は寒天液にこしあんを加えて煮詰めることで作られます。
この煮詰める作業の時に木杓子で『練る』ため、練り羊羹と呼ばれます。

煮詰める工程では、約103℃になるまで煮詰めるのがポイントです。
103℃未満だと煮詰め足りず固まりが悪くなり、反対に103℃を超えると煮詰め過ぎで硬い羊羹になってしまいます。

煮詰め具合は温度計で計ってももちろん良いのですが、他にも判断方法があります。
木杓子ですくい上げて流した時に、2-3mmの厚みで流れると丁度良い煮詰め具合だと判断できます。

流し缶を持っていないため、今回はタッパーに流してみました。
固まった後できれいに出すことができ、以外とタッパーでも十分だと感じました。
ただ容器の形はもう少し考えた方が良さそうですね^^;

断面もきれいに切ることができました!
写真にするとチョコのテリーヌみたいな見た目ですね。

美味しかったのですが、少し水分が多く煮詰め足りない印象でした。
煮詰めの工程は、慣れるまでは温度計と木杓子の両方で判断して厚みを覚えた方が良さそうですね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました