【和菓子材料】砂糖

昨日の投稿では黒棒を紹介しました。黒棒の要は黒砂糖ですね。
普段よく使う砂糖と言えば上白糖やグラニュー糖ですが、これらは白い一方で黒砂糖はその名の通り黒色(黒褐色)です。
どれも原料はサトウキビやサトウダイコンなのですが、両者の違いは何なのでしょうか?
今回は砂糖について取り上げてみたいと思います。

砂糖は大きく「含蜜糖」「分蜜糖」「精製糖」の3つに分類されます。

「含蜜糖」は原料などから搾り取った糖汁をそのまま煮詰めたものです。
黒砂糖やメープルシュガー、パームシュガーなどがこれに分類されます。

「分蜜糖」は糖汁を煮詰めてショ糖を結晶化させ、その結晶を分離して作った砂糖です。赤ざらや和三盆、カソナードが属します。
よくクレームブリュレなど海外のレシピでカソナードが使われていますが、日本では製菓専門店など限られた場所でしか手に入れられません。
インターネットで調べると黒砂糖で代用可能という記載もありますが、成分的には和三盆を使った方が近いのかもしれません。(和三盆も普段見かけることはありませんが^^;)

そして「精製糖」はショ糖だけを精製した砂糖です。もっとも身近な上白糖やグラニュー糖、三温糖などがこれに当たります。
三温糖は茶色いため含蜜糖と勘違いされることも多いですが、これは加熱時の褐色化や不純物によるものです。プリンのカラメルに近い原理ですね。
三温糖の原材料を見ると「カラメル色素」と書いてあるので、私はこれまで上白糖に着色したものが三温糖だと思っていました。しかし調べてみると、カラメル色素は品質(色調規格)を保持するために使われており、必須のものではないようです。

以上のように、製造工程を見ると含蜜糖がもっともシンプルな工程で、精製糖は手間がかかることが想像できます。
そのため昔(江戸時代)は、高価な白砂糖は位の高い限られた人しか口にすることができませんでした。
江戸時代には庶民は幕府の抑圧のため、菓子に白砂糖を使用することを禁止されていたそうで、黒砂糖を使用したお菓子しか口にすることを許されていませんでした。これが駄菓子の起源であるとされています。
現在は上白糖よりも黒砂糖の方が値段が高いためか、駄菓子にはもちろん精製糖も使われています。
ただ黒棒が駄菓子のイメージが強いのは、こうした背景があるからかもしれません。(それとも麩菓子の存在感が大きいのか...)

黒砂糖は精製していないため、コクもあって角煮など料理に使われることもあります。
また精製糖と比較してビタミンやミネラルが多く含まれています。
しかしビタミンなどが多いと言っても当然ほとんどが糖分なので、健康効果を期待して食べるのではなく、純粋に黒砂糖を味わいを楽しみたいですね(^^)

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