【和菓子材料】米粉

関東風桜餅のレポートでは、もち米から作られる米粉について簡単にまとめました。

桜餅やみたらし団子の回で断片的にお話してきましたが、せっかくの機会なので、和菓子に使われる米粉についてここでまとめてみたいと思います。

米粉の原料はもちろん「お米」ですが、お米には「うるち米」と「もち米」があります。
お米の主成分であるデンプンには「アミロース」と「アミロペクチン」があるのですが、もち米の方がアミロペクチンの比率が高いです(うるち米:約80%、もち米:100%)。
アミロペクチンは粘りが強いため、アミロペクチン100%のもち米の方がモチモチしているのですね。
一方でうるち米は弾力があり、しこしことした歯ごたえが特徴です。

原料となる各米の特徴を押さえたところで、米粉についてみていきましょう。
米粉について考えるとき、「原料がうるち米かもち米か」「加熱して挽いたものか非加熱で挽いたものか」という点に着目します。

【もち米を加熱して挽いたもの】
こちらは関東風桜餅の回で取り上げましたね。
道明寺粉:浸水したもち米を蒸して乾燥し、小さく砕いたもの。
いら粉:浸水したもち米を蒸して乾燥し、粉砕して煎ったもの。
みじん粉:いら粉のより細かいもの。上南粉とも。
寒梅粉:蒸したもち米から一度餅を作り、これを色づかなように焼いて粉末にしたもの。

【もち米を非加熱で挽いたもの】
餅粉:もち米を洗って乾燥し、挽いたもの。求肥粉とも。少し粒子が細かいものは羽二重粉とも呼ばれる。風味が良い。
白玉粉:浸水したもち米を磨砕し、水にさらした後で脱水して乾燥させたもの。寒晒し粉(かんざらしこ)とも呼ばれる。餅粉よりも風味は劣るが、弾力と艶がありきめ細かく仕上がる。

【うるち米を非加熱で挽いたもの】
上新粉:うるち米を洗って乾燥し、挽いたもの。しこしこした歯ごたえの生地に仕上がる。
上用粉:上新粉よりも粒子がさらに細かいもの。きめ細かく仕上がるため、高級菓子に使われる。薯蕷粉とも。
かるかん粉:うるち米を洗って水けを切り、粒子を粗く粉砕したもの。

いかがでしょうか。初めて聞く米粉や、使い分けや製法を良く分からずに購入していた米粉が多いですね(^^;)
このまとめだけでは、使い分けはどのような食感を与えたいか(しこしこ?もちもち?)、きめ細かくしたいかくらいしか分かりませんね。
風味や実際の舌触りなどは同じレシピで米粉を使い分けてみて、比較検証しないと分からないですね。
とても面白い検証になると思います。

また上記の分類を見ると「うるち米を加熱して挽いたものは無いの?」と感じると思います。
調べてみると、乳児食に利用される「乳児粉」というものがこれに当たるそうなのですが、和菓子には糊化したうるち米の米粉は使われていないのでしょうか?
他にも水洗いして乾燥した後、焙煎して製粉した「落雁粉」も米粉です。

これだけ種類が多い上に、地域によって呼び方が変わったり、同じ呼び方でも違う米粉をさしていたりすることもあるそうです。
日本の主食であるお米を使ったものであるだけに、各地域で独自に発展していき、たまたま同じものが生まれたということもあるのかもしれませんね(^^)

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